第20回殿堂入り(平成28年度)

二代目 春野百合子(ハルノ ユリコ)浪曲師

昭和2年(1927)~平成28年(2016)享年90歳

二代目吉田奈良丸と初代春野百合子を両親に持った、女流浪曲の第一人者。
東京の昭和女子薬学専門学校(現・昭和薬科大学)に進学していたが、母の急逝後に浪曲界に入り、昭和23年(1948)に道頓堀中座での初舞台で二代目を襲名。
天賦の才に恵まれ、情緒豊かな世話物の世界に秀でるなど、浪曲界に大きな足跡を残した。近松門左衛門や井原西鶴の文芸作品を取り入れた「おさん茂兵衛」や「樽屋おせん」などの新作を発表して独自の世界を作りあげ、浪曲に“作品性”と“格”をもたらした。他に「高田の馬場」、「落城の淀君」なども得意とした。
平成6年(1994)に紫綬褒章、平成11年(1999)勲四等宝冠章を受章。平成18年度大阪市無形文化財の指定を受けた。
関西浪曲界の最高峰として長く活躍し、社団法人浪曲親友協会の会長も務め、多くの弟子の育成に力を注いだ。