第18回殿堂入り(平成26年度)
二代目 平和ラッパ(ヘイワ ラッパ)漫才師
明治42年(1909)~昭和50年(1975)享年65歳
大阪府堺市の生まれ。初代浅田家日佐丸に入門し、実兄の平和日佐治と平和日佐一の名でコンビを組む。それぞれ後に日佐丸とラッパに改名。昭和29年(1954)に兄が死に、相方の日佐丸は変わるが、ラッパの個性が強いせいか、日佐丸は5人変わる。おかっぱ頭と出っ歯、ダブダブの背広が特徴で、自ら「先祖代々過去帳一切のアホ」で売り出し、大村崑、藤山寛美と共に「大阪の三バカ」と呼ばれるほどであった。上方漫才の個性ある「アホ」の一つの典型を提示した。相方から「スクーターの腰かけのような頭」「あるだけの歯を全部放り出して」と悪態を突かれると、また大いに反撃して笑いを呼んだ。時に相方が休んだときなど、ラッパにしかできない隠し芸「ふとん廻し」(人差し指でふとんを廻す珍芸)を披露するのも有名であった。ネタではラッパがアホぶりをさんざん発揮して日佐丸を困らせた後、日佐丸が「こんなん連れてやってますねん」とボヤき、これを受けてラッパが「苦労しまっせ(または「気ィ使いまっせェー」)」「ハハーッ、さいならー(しゃいならー)」と落として終わる。ラッパのキャラクターや持ち芸は、大阪だからこそ生まれ出た愛すべき「アホ」として長く記憶にとどめておきたい。昭和45年(1970)の第5回「上方漫才大賞」 奨励賞を受賞。この時の相方は、五代目日佐丸であった。